23.2.14
文責 髙橋
NHKの番組「アインシュタインの眼」でフェンシングの放送があった。
オリンピック銀メダリストの太田選手のテクニックなどを、ハイスピードカメラが克明に捉えて、彼の強さの秘密を分析していた。
彼は、長身の外国人の選手に如何に勝つかを工夫したと述べていた。
剣道の視点で見ていて、印象に残ったことをまとめてみた。
1 返しの剣の早さ
相手の剣を払うのではなく、下から巻きあげて突きを返す。突かれるリスクは大きくなるが、確実に相手の剣を払うことができる。返す剣を使う時は、相手が突きを入れてくるように、誘うようにする。相手の剣を巻き上げる位置は、突いてきた剣先が自分の体に近い位置にする。こうすると突きの動作を変更できなくなっている。返す動作は手首の返しだけで行う。
2 得意技の「放り込み」で相手の左肩、右肩、右腋を連続して突いた時の動作の特徴
手首を使って3点を連続して突いているが、顔の位置が全くぶれていない。眼も動いていない。剣道で言う遠山の目付である。
3 速い突きの動作
太田選手の突く時のひじの位置の上下の動きが少ない。肘を動かすと突きの動きが遅くなるとのこと。剣道でも八相の構えから打ち込む時に、剣の振りを速くするために、左肘を上下させないで打つことを強調している流派がある。
4 足捌き
フェンシングでは突いたら直ぐに引く動作になるので、突いて後退する相手を逃がさないようにするため、「下がる・出る」を瞬時に行える強い足腰を鍛えておく。
5 勝負に勝つため
苦手な相手を作らない。