21.10.30
文責 髙橋
小説の中からの引用であって、私自身が出典の確認をしていないが、面白いので紹介する。
合伝流(ごうでんりゅう)武敎私言(ぶきょうしげん)なる伝書に、武者修行に臨む者は、己の胆力を鍛え上げるために、七難を克服しなければならないとある。
七難とは
一、極寒、猛暑、嵐に身をさらし、深山をさすらうこと。
一、野宿をすること。
一、金に執着せず、飢えに耐え、着のみ着のままで旅をすること。
一、合戦で陣場借りをすること。あるいは、他の武芸者と仕合するか、辻斬りや山賊を斬り伏せること。
一、囚人になって牢獄に入り、勇力智弁(ゆうりきちべん)をもってこれを破獄すること。
一、農民とともに、田畑を耕すこと。
一、悪霊悪風のある魔所、または妖狐のたぐいの害あって人の通らない場所を、独り往くこと。
七難の内、今の時代に行えることは、子供時代の肝試しやキャンプ、それと暑中稽古・寒稽古だけか。人によっては農家も出来る。ただし、無銭旅行や登山は難しい。まして、囚人になっての牢破りや、人切りなどは不可能である。
私達には、上とは違う、新しい時代の胆力の鍛え方が必要であろう。