19.8.26 高橋 通
これから審査を受ける人になんらかの参考になれば良いと思って、体験記をまとめました。
1 前言
19.8.26(日)、長野市ホワイトリングで行われた6段審査に挑戦した。次に受検する人のために、審査内容や所見等について記録し報告する。
当日、3か所で行われた審査の結果は次の通りである。
福岡 78名合格/912名受検 合格率8.6%
北海道 24名合格/309名受検 合格率7.6%
長野 117名合格/908名受検 合格率12.9%
2 移動
阿部先生の車で全員が移動。上白根町を0450出発。談合坂SAで休憩後前進再開。カーナビに目的地を設定し、到着予定時刻を確認すると0932と表示される。受付時間は0900~0930。これでは受付に間に合わないと全員青くなる。そんなはずはない、どんなに遅く見積もっても0900以前に到着する計算になるはずだが。とにかく急ぐことにした。甲府盆地を通過する頃には到着予定時刻の表示が0925と少し早まった。このカーナビおかしいと口々に非難囂々。その後刻々と時間表示が早まって行ったので皆安心した。
0830目的地に到着。車での移動は注意する必要がある。
3 審査観戦所見
1階フロアーの半分が審査会場、半分が受付や待機場所。審査会場は6会場分準備されていて、実際は5会場で審査が行われた。
各会場の審査員は6名で、第3会場に久保木先生、第4会場に平井先生が居る。
審査員が評価を記録するのは実技終了後がほとんどだが、たまに、最初の打ち合いの直後にメモしているのが見られた。中間での審査員の動きは無い。
進行係が実技を終了させるのは、1分前後たった時間帯のせめぎ合いで、15秒程見守っている。それまでに打ち込みが有ったら、それを待って終了。打ち合いが無さそうだと判断したら、その時点で終了させていた。
審査中間の攻防もあるが、立ち会って初めの攻防と最後の攻防が審査上重要であろう。
4 審査受検記録
(1)受付
1130受付開始。生年月日で審査会場が決まっていて、第3会場で年齢・生年月日・フルネーム・所属を申告して受付をする。私の名前が名簿に見つからないアクシデントが有った。生年月日に齟齬があったのだ。22.07.27生まれだが、名簿では22.02.27となっていた。本部に確認し受け付け手続きが出来ることになった。申込み用紙には丁寧な字で書くことが必要である。
受付の所で知り合いに会って、助言を受けた。最初の1本目を大切にする。相手を攻めて崩してから打ちこむ。崩さずに打つのは駄目だと。最悪は崩されて打たれることだろう。忘れない様にしよう。
(2)審査までの待機
審査は第3会場の後から2番目のグループとなる。待機時間が長すぎるので、10組前のグループが審査を始めるくらいから気持を高める様にしようとした。
しかし、気持が高ぶっていて、鎮めることはとても無理だと悟った。皆はどうしているのであろうか。
体をほぐす準備体操を始めた。体の痛みやだるさを感じる。おそらく緊張しているせいだろう。
第3会場の審査状況を眺めていて、おやと思った。皆同じ様な剣道をして居る。午前中の実技はスピード感溢れ多彩な技の応酬が見られたが、今、目の前で行われている剣道の技は3種類しかない。飛び込み面、面に対する出小手と面に対する返し胴だけである。第4会場は私より年上の人である。審査状況を見ていると、技はやはり3種類のみである。出小手に注意すれば攻めきれると思った。
審査場の床はニスが厚く塗ってある。私は汗かきで足裏にも汗をかくので、5段審査の時に神奈川武道館の床でも滑ってしまい、審査中に足裏を袴で拭き取った体験がある。今回は足ふき用のタオルを持参した。足裏を拭いてから踏み込みをしてみた。しっくり足裏が床に着いている。タオルは正解である。
アキレス腱や肩など十分に伸ばしてから打ち込みの練習を開始した。審査で使うであろう技の、竹刀を持たないで行うイメージトレーニングである。踏み込みを先にしての飛び込み面(竹刀の上げ方を工夫しながら)、表・裏を押さえての飛び込み面、竹刀の上から或いは下からの小手打ち、出小手・出鼻の面、小手すりあげ面、小手を切り落としての面。打つときは、起こりを小さくして、姿勢を崩さない様に注意した。
(3)実技審査
最後から2番目のグループのため、私のグループと最後のグループは3名で1組である。私はCになったのでAとBの立ち会いの後、Bと始めに立ち会い、次にAと立ち会う様になる。AとBの立ち会いを先に見ることが出来るので有利であった。
2人の技は飛び込み面と出小手だけである。剣のスピードもそれほどではない。
Bとの立ち会いが始まる。足裏をタオルで拭き取ってから会場に入る。礼・蹲踞して、初めの合図で立ち上がる。
両足均等に体重が掛かっているかを確認する。5段審査の時は舞い上がっていて、右足ばかりに体重が乗っていて左足が床に付いていない感覚が有った反省だ。やや両膝を曲げてから少し膝を伸ばした。次に意識して両肩及び右手の握りの力を抜く。あごを引いて腰を伸ばす。戦闘態勢完了。相手の気合いの上にかぶせて気合いを掛ける。
今日の立ち会いは、鈴木先生の考え方に基づいて、「空いている所を打つ」方針だ。○○を打つとか、待って応じ技を出す等と考えないことにした。
気合いを掛けながら間を詰める。こちらが打つ気配を示しても相手の剣先が上がらない。皆同じ様な指導を受けているから我慢している様だ。相手が打ってこないなら、こちらから打ち込んでやれと決心し間を詰めたら、こちらの気が伝わったのか、面を打ってきた。体が動いて相手の出小手をしっかり捉えることが出来た。その後、相面で先を取った。思わず引き胴を打ってしまったが、姿勢は崩れていないし胴も決まっているのでマイナスにはなっていないであろう。引き面も打ってしまった。これもマイナスにはなっていないであろう。
これが最後の1本になるであろう雰囲気となった。気合いを掛け、気を張って、間合いを詰め、面の打ち合いとなった。スピードで我が有利。
Aとの立ち会いとなる。立ち上がって戦闘準備確認の動作を行い、気合いを掛ける。間を詰めるが相手は打ってこない。こちらから面を飛び込んで打った。相手に引かれて、面が空を切った瞬間、仕舞ったと思ったが、技を返されてはいないし、打った姿勢も崩れていなかったので、致命傷にはならないのではないか。中間の攻防では私の技は決まっている。最後の攻防となった。初めの面が空を切っているので、ここで面を決める必要があると思った。間を詰めつつ大きく踏み込んで面を飛び込む。相手も面を打ってきたが、上からしっかり面を捉えることが出来た。
2人との立ち会いで、相手を崩してから打つということはなかなか出来なかったが、「空いている所を打つ」に徹して攻めの気持を終始持続することが出来たので立ち会いには満足した。
(4)形の審査
省略