未分類

図書の紹介 「高段者への道 (抜粋)」

投稿日:2009年2月26日 更新日:

H19.12.1 文責 高橋 通

旭図書館に「高段者への道」という図書がある。ここに要点を抜粋したが、詳細を知りたい人は是非借りて読まれることをお奨めする。

内容(抜粋)

高段者は指導者としての能力(知識・資格)を求められる。

○共通する具体的な素養

①実技
・着衣・着装・礼法が正しくかつ深い修練を感じさせる。
・目付や姿勢・態度を品位・気位を感じさせるように、剣道に美しさが求められる。
・打突の機会や剣先の攻め、間合などが理合いにかなっている。技の出し方の良否が問われる。
・にじみ出る気迫、自然な動き、気を乗せた技、相手に技を出させない気の攻めなど、いわゆる気剣体の一致が必要。

②日本剣道形
・正しい刃筋、適切な間合いなど理合いを十分に理解している。
・十分に気が練れて、技の合理性などの心技の理合いを把握した上で、呼吸や打突の機会、気の争い、残心なども調和が取れていることが必要。

③学科試験
・剣道の理念や心構え、技の解説、剣道の常套句の把握、指導者として必要な事項、審判規則など。
◎各段位の実技における合格基準

○4段の合格基準
・姿勢・態度
 完成された、完全に身に付いた姿勢・態度が求められる。
・品位・気位
 4段としての風格、剣道の美しさが求められる。
・剣先の攻めと理合いにかなった打突
 相手の竹刀を押さえたり払ったりして、剣先の攻めで相手を崩してから打ったものでなければならない。同時に間合いの取り方、流麗な体捌き、機をとらえた打突ができている。手の内の冴えた臨機応変な打突が必要。
・打たれたときの態度
 打たれても堂々とした態度、どっしりとした心構えが必要。打ち負けていると焦って打ち込むと評価はさらに下がる。
・残心
 身に付いた残心が求められる。

○5段の合格基準
4段よりさらに精神的な要素と、一層の修練を積んだ、練れている剣道が必要。
・理合にかなった打突
 間合いの取り方、相手の構えを崩す剣先の効いた攻め、無理のない体捌き、足捌き、相手の隙をついた、冴えた打ち、靜に相手を威圧する様な残心などが求められる。
・品位・気位
 4段にさらに磨きがかかった、おのずと姿勢・態度も完成されたものとなっている。
・気の攻め
 剣先の攻めだけでなく、相手の気を殺す攻めが出来ているかどうかが重要になる。

○6段の合格基準
 風格、気位、技の冴えという高度な内容、総合的な力が合格の基準。合否の決め手を一口で説明することが難しくなる。精神の鍛錬が重視される。
・姿勢態度と気迫
 攻防の際、姿勢態度を終始正しく、打突後の体勢が崩れない。
 旺盛な気迫を内に秘める。
 姿勢・態度と気迫が正しく一体となって、位取りができる。
 攻防は派手な打ち合いではなく、技をだすその時、心と気が同時に働く剣道
・技の冴えと残心
 打突の機会を確実に捉える。
 間合いに明るく、体さばきに無理が無く、しっかりとした打ちで打ちきる。
 剣先は常に生きている。残心も同じ。

○7段の合格基準
 7段は一般の剣道愛好家が到達しうる最高の段位。
 6段の心と気の働きの剣道からさらに奥深い修練が伺える風格、技の使い方、気位が求められる。
 技法より心法に重点を置いた剣道ともいえる。
 より高度に自己の個性(剣道観)が反映されている事が必要。
・風格・品位・気位
 長年の修練からにじみ出る自然な姿勢・態度。攻防における不動の姿勢。間合いの攻防では心を読み、気力と剣で相手に乗って制し、余韻をも感じさせる様な気品・風格が求められる。
・手の内の冴え、体捌き、残心
 単に強いだけでなく「上手な剣道」が要求される。臨機応変、自在、当意即妙の技を使える位になっていなければならない。
 「理業一致」「攻防一如」の剣、それには、「手の内の冴え」「いかなる体の変化にも体勢を崩さない体捌き」「相手につけいることを許さない重みのある残心」などが重要となる。

○8段の合格基準
 全てに完全

◎実技審査の留意点
 6段7段審査の寸評を見ると、逆に留意点が見えてくる。
 構えに関すること、打突に関すること、気に関すること、風格に関することに大まかに分類できる。

○寸評の列挙
・気迫に欠ける(気力で攻めて、機を見て捨て身で)。
・勝負を避けている。
・残心がない(手打ちになっている)。
・稽古の度合いの差が目立つ(気の争い、間合い、機会、先の攻防、瞬発力などの修練)。
・構えが出来上がり、打突が冴え、風格が有ることが大切。
・態度、構えに堅さあり、理合いのある打突が少なく、単調な打ち合いに終始している。
・短時間内に自己の力を十分に出し切るための攻め、間合い、機会、打突等積極的な気力有る厳しい稽古が必要。
・先の気がなく、間合いも近間で無駄打ちが多い。
・腰の安定と上半身の柔軟さからくる手の内の冴えがなく、打突に真迫性がない。
・構えたとき、気持がバラバラで相手に対して充実した気勢が伝わっていない。
・初太刀を大切にしすぎ、技を出さずに休んでしまっている。
・一本の技に全力を集中できる様捨て身技を修得しておくこと。
・高段者、指導者としての重厚味。
・間合い攻防の理合いの中にも、相手の心までも読み取り対応できるもの。
・いかなる体の変化にも体勢の崩れない重厚味のある動き。
・無駄打ちの少ない正確な打突と残心。
・指導者としての気品、風格

<script async src=”https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js”></script>

<ins class=”adsbygoogle”
style=”display:block”
data-ad-client=”ca-pub-7344083275312438″
data-ad-slot=”7439188934″
data-ad-format=”auto”
data-full-width-responsive=”true”></ins>
<script>
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
</script>

<script async src=”https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js”></script>

<ins class=”adsbygoogle”
style=”display:block”
data-ad-client=”ca-pub-7344083275312438″
data-ad-slot=”7439188934″
data-ad-format=”auto”
data-full-width-responsive=”true”></ins>
<script>
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
</script>

-未分類

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

有効打突について考える

22.7.13文責 髙橋 ○有効打突とは剣道試合審判規則に「有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする」とある。これは有効打突の要件とい …

no image

人間形成の道  韓非子(その3)

韓非子(その3)22.8.3文責 髙橋 説難(ぜいなん)は韓非子が力を入れて書いたところである。生まれつき「どもり」であった彼は、折角面談しても、その話しぶりから初対面の印象が悪く、言葉で相手を説得す …

no image

フェンシングの太田選手の強さの秘密

23.2.14文責 髙橋 NHKの番組「アインシュタインの眼」でフェンシングの放送があった。オリンピック銀メダリストの太田選手のテクニックなどを、ハイスピードカメラが克明に捉えて、彼の強さの秘密を分析 …

no image

剣道に強くなるための名言・格言 Ⅲ

剣道に強くなるための名言・格言 Ⅲ不動智神妙録 沢庵禅師 21.3.15文責 高橋 通 沢庵禅師が柳生但馬守に与えた、剣の道を仏の教えで説いた(仏の教えを剣の道で説いた)書が不動智神妙録である。自分が …

no image

K先生の剣道談話(宮原先生の聞き取り)

<H20年11月29日 とり一にて> 宮原先生からの聞き役 高橋文責   高橋 8段審査に臨んでの心構えなど、宮原先生が教えを受けた内容を、又聞きで聞いたので、内容が不正確になるのを怖れK先生の剣道談 …

-プロフィール-

-プロフィール-

名前:トオル先生

こんにちは!
プロフィールに写真を載せると言われたのですが、マンガにして貰いました。この方がピントはずれな事も平気で言えますので。
剣道を習っていて、フト是で良いのかなと思ったり、こうしたらどうだろうかと考えることがあるが、今更人に言えないで、そのままにしていて、そのうちにマアいいかとほったらかしにしている事って無いですか。
こうした時に、肩の力を抜いてお茶でもすすりながら、「是ってどう思う」と話せる部屋があれば良いなと思い、この部屋を作ってもらいました。
私が考えた事や、人に教えて頂いたことを少しずつ載せていきたいと思っています。批評は私に理解できるようにお願いします。