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在りし日の剣道よもやま話
24.2.21 文責 橋
清田邦昭先生、鈴木先生、郡先生、清田(薫)先生、瀬戸先生と中華料理店にて
清田邦昭先生を囲んで、居合や剣道についてのお話を聞く機会があった。先生のお人柄から和やかで楽しい時間があっという間に過ぎてしまった。お話の内容を忘れないうちに書き留めておこうと思ったが、なかなか思い出せない。どうにか幾つかを思い出して、まとめてみたのが、この文章である。 ここに書いた他にも、清田先生の居合や剣道についてのよもやま話は尽きなかったが、既に私の体には酒がまわっていて、記憶に残っていないのが本当に残念である(いつものことであるが)。その様な訳で、ここに記した内容も正確でない恐れがある。他日、先生に改めてお聞きしようと思っている。
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日時 2012年02月28日 00:02 |
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「木刀による剣道基本技稽古法(希望ケ丘高校版)」の紹介及び練習法
平成24年2月16日 文責 高橋
T 前言 希望ケ丘高校剣道部で行っている「木刀による剣道基本技稽古法(希望ケ丘高校版)」を、制定した剣道部顧問 今里学先生の了承を得て紹介する。
これは、今里学先生が生徒の技の稽古用に「木刀による剣道基本技稽古法」をベースにして、高校生が使う技のほとんどを取り入れたもので、形の稽古がそのまま防具を着けた稽古や試合に生かされるものとなっている。
日本剣道形及び「木刀による剣道基本技稽古法」の趣旨である、剣理を代表する基本的な形から千変万化して、あらゆる技を生み出すことの具体策が、ここに紹介する「木刀による剣道基本技稽古法(希望ケ丘高校版)」である。平成22年7月に制定された。
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日時 2012年02月28日 00:00 |
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フェンシングの太田選手の強さの秘密
23.2.14 文責 橋
NHKの番組「アインシュタインの眼」でフェンシングの放送があった。 オリンピック銀メダリストの太田選手のテクニックなどを、ハイスピードカメラが克明に捉えて、彼の強さの秘密を分析していた。 彼は、長身の外国人の選手に如何に勝つかを工夫したと述べていた。
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日時 2011年02月17日 23:47 |
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傷心の白鵬がつかんだ「心」
23.1.3 文責 橋
22年12月22日の読売新聞に載った記事に感動したので、概要を紹介する。 それは、不祥事で揺れた相撲界にあって、一人横綱として6場所中5場所で優勝した白鵬が語った「心」について、回顧されていた。
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日時 2011年01月04日 11:15 |
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「一眼、二足、三胆、四力」の「眼」について
22.12.6 文責 橋
剣道では「一眼、二足、三胆、四力」といって「眼」が一番重要であると言う。この、「眼」について、今まで感じていた疑問と、その疑問が見事に氷解した記事について紹介する。
1 今まで感じていた疑問
(1)「眼」には異なる2つの事が区分されていない 剣道で「眼」というが、実はまったく異なる2つのことを述べているのに、区分されていないので、理解しにくくなっている。 その2つとは、1つは「物の見方」のことであり、もう1つは「見る所」のことを言っているのに、どちらも「目付」と称しているので分かりにくくなっている。
(2)「物の見方」のこと 「遠山の目付」や、「観見の目付」と言っている「目付」は、「物の見方」のことである。一般的には、相手の目を中心に体全体を見るようにして、特定の一箇所を凝視しない。また、目玉を動かさないようにすることが大事と言われている。沢庵禅師の不動智神妙録に、「木を見る時に、葉の一枚一枚を見ないで、木全体を見るようにすると、葉の一枚一枚を全て見ることができるが、葉の一枚を見るようにすると木を見ることができなくなる」とある。もちろん心が囚われないことの働きを述べ得ているのであるが、禅には抽象論が無いので、視覚の事実も述べている。
(3)「見る所」のこと 兵法家伝書に書かれている「二星」などの拳やひじなどを見る「目付」や、相手の右拳の動きを注意深く見る「北斗の目付」、あるいは「脇目付」などは「見る所」のことである。剣先と拳を「目付」とする流派もある。
(4)疑問 ここで、「あ〜そうなのだ」と思わないで欲しい。 「物の見方」と「見る所」を実践しようとすると、矛盾が生じることがお分かりであろうか。注視しないで全体を見ることと、拳やひじなどを注意して見ることが同時に出来るのであろうか。武蔵は目玉を動かすなという。柳生但馬守は拳やひじを見ろという。言っている事が正反対である。二人の兵法家のどちらかが間違っているのであろうか。 これが「眼」についての私の疑問であった。
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日時 2010年12月11日 23:48 |
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韓非子 亡徴編
国が衰退するときの兆候 47項目 22.9.23 文責 橋
T はじめに 前に掲載した韓非子で、「国が滅びるきざし47項目」があると紹介したので、ここに「亡徴編」として掲載する。 国も組織も衰退するときは同じような兆候があるものである。日本も変な驕りから、大国になる前に衰退が始まり、現在に至っている様に感じられている。 ここに掲げた47項目の内、該当する項目が幾つかあれば組織は危うい。あなたの組織の健全性をチェックする意味でも読まれたらどうであろうか。 原文の記載順序は項目ごとに整理されていないので、ここでは分かりやすくするために、項目を立てて並べ直してみた。 本文では、原文の読み下し文に意訳を載せたので参考にされたい。
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日時 2010年09月26日 23:19 |
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「1眼2足3胆4力」の「足」について
22、9.3 文責 橋
1 剣道用語辞典による「1眼2足3胆4力」とは 剣道用語辞典によると「1眼2足3胆4力」は、剣道修行の大事な要素をその重要度に応じて示したものである。 「一眼」について。剣道で一番大事なことは、相手の思考動作を見破る眼力であり洞察力である。 「二足」について。初心者は手先で打って足がこれに伴わない。むかしから見学の心得に「技を見ないで足を見よ」ということがあるが、技の根元は足であり、足の踏み方使い方は剣道で最も重要視されるものである。 「三胆」について。胆は胆力であり度胸である。ものに動ぜぬ胆力と決断力であり不動の意味である。 「四力」について。力は体力でなくて技術の力であり、わざ前のことである。 剣道はすべて技術を最後にもって来たところにこの教えの尊さがある、と書かれている。
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日時 2010年09月04日 00:23 |
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人間形成の道 韓非子(その5
韓非子(その5) 22.8.26 文責 橋 臣下の操縦法の基本は二柄(にへい)であるが、テクニックはその他にもいろいろとある。韓非子を読んでいる上司がいれば、今でも部下の操縦法として使っているのではないだろうか。あるいは、あなたは既にその手に引っかかっているかもしれない。こんなこともあると、知っておくことは有益である。では読んでいこう。
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日時 2010年08月25日 20:45 |
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人間形成の道 韓非子(その4)
韓非子(その4) 22.8.13 文責 橋
君主は大臣や部下たちだけでなく身内も信頼できない立場である。一人で正しい決断をするために、君主の陥りやすい誤りを自ら理解するとともに、部下の操縦法も間違ってはならない。君主の陥りやすい誤りは十過(じゅっか)として、部下の操縦法の基本は二柄(にへい)として述べられている。ここに書かれている誤りを犯して、総理大臣を辞任することになった人もいる。是非味わっていただきたい。
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日時 2010年08月12日 22:44 |
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人間形成の道 韓非子(その3)
韓非子(その3) 22.8.3 文責 橋
説難(ぜいなん)は韓非子が力を入れて書いたところである。生まれつき「どもり」であった彼は、折角面談しても、その話しぶりから初対面の印象が悪く、言葉で相手を説得することが苦手であった。始皇帝も謁見して、韓非子の話し方にがっかりしたといわれている。その分、彼は書くことで意を伝えようとした。 法術の士は、敵意に囲まれた朝廷にあって、君主と命がけの交渉をした。ここに書かれていることは、人を説得する方法として、今日でも参考となろう。では本文を見ていただく。
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日時 2010年08月03日 11:12 |
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人間形成の道 韓非子(その2)
韓非子(その2) 22.7.22 文責 橋
時代が変われば当然制度も変えるべきだと主張し、儒家の仁義の政治を古臭くて役に立たないと批判した韓非子は、次に君主に取り巻き法術を妨げている抵抗勢力を批判する。 君主は国を豊かにして人々を幸せにしたいと願い、賢者を招き百官の意見を入れ、賞罰を行い、善政を敷いているのに、思うように政治が行われていない。なぜかとの問いに、韓非子は、君主の周りには5種類の害虫がいて、これが君主の政治を妨害していると批判する。 では、続きを読んでいこう。
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日時 2010年07月23日 13:43 |
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有効打突について考える
22.7.13 文責 橋
○有効打突とは剣道試合審判規則に「有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする」とある。これは有効打突の要件といわれている。この他に間合いや機会など要素といわれるものがある。 何を今さら「有効打突を考える」必要があるのか、有効打突の要件や要素は明確に示されているではないか、とも考えるが、では、有効打突とは何であろうか。 有効な打突とは、剣道の原点に帰ると「刀で切る」ことではないだろうか。 有効打突の言葉を分解すると、有効な打突、効果のある打突、すなわち竹刀を刀に変えれば、切ったり突いたりするのに十分な打突となる。 刀で切る時に、刃筋を真っ直ぐにして振り下ろし、物打ちで切るとよく切れることは体験でわかる。「打突部で刃筋正しく」のことである。
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日時 2010年07月13日 01:36 |
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人間形成の道
韓非子(その1) 22.7.7 文責 橋
<解説> 人間の本質を学ぶ書として、ある意味で東洋の韓非子(かんびし)、西洋のマキャベリは必読の書である。 韓非は前三世紀の初め、中国の戦国時代、韓王の庶公子として生まれる。韓非の思想の核心は「法術(ほうじゅつ)」である。秦の始皇帝(しこうてい)に呼ばれて、自説である「法術」を説くが、秦の大臣である李斯(りし)の計により囚われ、獄中で毒を飲む。前233年のことである。この韓非の残した書が韓非子である。 韓非子は、私の嫌いな書の代表である。荀子(じゅんし)の性悪説を更に人間不信までに押し進めて述べたものが韓非子である。人間性の善を信じ、誠の人であって始めて人に信頼されて大事をなすことができると確信している私としては、毒を含む韓非子は異端の書としてきた。 あえて韓非子を学ぶのも、韓非子の考えを以て我を致そうとする者から身を守るためであり、この考えを積極的に取り入れるためではなかった。 韓非子の考えを実践して戦国時代を制し、一旦は大帝国を築いた秦帝国が短命に終わったのも、この説が正しいはずがないことの証左であろうと考えていた。 しかしながら、「孔明泣いて馬謖(ばしょく)を斬る。」が韓非子の応用であるとの説を読んで、今までの固定した見方を少し変えてみようかと、読み直してみることにした。
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日時 2010年07月08日 23:55 |
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兵法家伝書を読む(Y)
無刀之巻 22.1.16 文責 橋 1 無刀之巻の概要 宗矩の父石舟斎宗厳が、上泉伊勢守の開示した太刀の間合を基にして、無刀取りを工夫考案した。無刀とは相手の刀を取ることを本意とすることではなく、刀を持たない時でも人に斬られないようにすることを第1の心得とするものである。だいぶ文章は省略したが、意は通じるものと思う。
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日時 2010年01月18日 13:30 |
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兵法家伝書を読む(X)
活人剣(かつにんけん) その2 22.1.11 文責 橋
その1に続き活人剣(かつにんけん)を読む。前回は、相手の手の内や心の変化などを見きって勝つ種利剣を中心に読んできたが、今回は全てが心法について書かれている所となる。立ち会いの心構えから、技と心の関係、病気を去った直ぐな心の持ち方など、心の修養を深めていく。そして、最後に柳生新陰流の奥義ともいえる一去、空、捧心の心持ちを読んでいく。
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日時 2010年01月14日 12:52 |
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兵法家伝書を読む(W)
活人剣(かつにんけん) その1 21.12.27 文責 橋
1 活人剣の概要 いよいよ難解な活人剣の巻に入る。前に書いたように、柳生石舟斎宗厳(むねよし)は「没滋味手段口伝書」に、「当流に構太刀を皆殺人刀といい、構えの無いところをいずれも皆活人剣という。構えを全て捨て去って、その無いところから生じるので活人剣という」とある。「守・破・離」でいえば、活人剣は柳生新陰流の「破・離」の教えになるのか。この後に続く「無刀の巻」に至ってはなおさらである。 「手字種利剣」「有無の拍子」「水月」「神妙剣」など興味の尽きない内容が続くが、理解しがたい所が大変多い。理解出来ない所は、そのままに読み進めて行くことをご了解されたい。
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日時 2009年12月30日 23:55 |
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会津藩校「日新館」の「什の掟」について
12.12.21 文責 橋 昨日、瀬戸先生と飲む機会があり、日新館の「什の掟」が話題となった。だいぶ前に、窓際(窓端だったかな)太郎が活躍するテレビドラマで、幼稚園の壁に掲げられていたので、ご記憶の方も居られるでしょう。「あれ、良いよね」ということで、書くことにしました。
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日時 2009年12月21日 09:26 |
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兵法家伝書を読む(V)
殺人刀(せつにんとう) その2 21.12.12 文責 橋 その1に続き殺人刀(せつにんとう)を読む。前回の懸待一如に続いて待にて勝つ道理を展開すると共に、拍子、間合、目付などの技法について記述されている。殺人刀の最後に心の病の克服について記述することにより、活人剣(かつにんけん)への移行を図っている構成はみごとである。
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日時 2009年12月13日 23:53 |
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兵法家伝書を読む(U)
殺人刀(せつにんとう) その1 21.12.5 文責 橋
1 概要 前回述べたように、殺人刀は活人剣とともに、新陰流の祖上泉伊勢守が立てた習以外に、石舟斎宗厳、宗矩父子が工夫創案した習(ならい)の外の別伝である。新陰流の技法及び心法上の理論的体系を詳述したもので、まさしく「兵法家伝書」の名にふさわしいものである。両巻の名前について、石舟斎は、「当流に構太刀を皆殺人刀といい、構の無き所をいずれも皆活人剣という。また構太刀を残らず裁断して除け、無き所を持ちゆるにより、活人剣という」と述べている。また、宗矩自身は殺人刀の巻の序で、「一人の悪を殺して万人を生かす。これら誠に、人を殺す刀は、人を生かすつるぎなるべきにや」とのべ、乱れた世を治めるためには殺人刀を用い、すでに治まった後は、殺人刀は即ち活人剣として生かしていくと、戦乱の世から平和な時代になっても、武士には剣道修業が必要であることを説いている。 また、1対1の剣術修行(小さき兵法)が、いくさにおいても、家臣の掌握(大なる兵法)のためにも有効であるとし、剣道理論が組織の運営・管理にも有用であることを主張したことから、諸大名からも支持されている。 以下、読みやすくするため、項目を起こして読んでいく。
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日時 2009年12月04日 22:56 |
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兵法家伝書を読む(T)
柳生但馬守宗矩 21.11.30 文責 橋
1 兵法家伝書とは 宮本武蔵の五輪書と双璧を成すといわれている江戸時代初期の兵法書。柳生新陰流の基本的伝書の一つで、寛永9年(1632年)柳生但馬守宗矩が62歳の時に完成され、「進履橋(しんりきょう)」(目録)、「殺人刀(せつにんとう)」、「活人剣(かつにんけん)」(「無刀の巻」を含む)の三部より成る。 進履橋(しんりきょう)は、流粗上泉伊勢守から伝わった新陰流の目録で、「殺人刀(せつにんとう)」、「活人剣(かつにんけん)」は、上泉伊勢守が立てた習以外に、石舟斎宗厳、宗矩父子が工夫創案した習(ならい)の外の別伝として、新陰流の技法及び心法上の理論的体系を詳述したものである。 技術面については、構え・目付・神妙剣(しんみょうけん)・水月などについて詳細な記述があり、現代剣道においても大いに役立つが、なによりも技術の発現に伴う心の持ちよう、特に「病気」(いわゆる驚・懼(く)・惑・疑)の克服の仕方、心・気・身体(力)の統合の在り方などについての記述などは奥深く、大いに修練の参考になる。 柳生新陰流は今現在にも脈々と受け継がれている剣で、奧義はその稽古の中に有るのであって、門外漢が理解できるところでないことを承知しつつ、以下、内容について考えていく。 なお、詳細については、岩波文庫「兵法家伝書」(渡辺一郎校注)が刊行されているので手に取って頂きたい。
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日時 2009年11月27日 23:31 |
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審判法講習会に参加して
文責 橋 小林会長の挨拶の後、網代先生の講義と代表者(サンプル)による実技を通じた指導があり、その後、四組に分かれて審判法の錬成が行われた。網代先生、椎名先生、根岸先生、田島先生がそれぞれの組を担当して行った。 私は、たまたまサンプルに指定され、皆の前で最初に指導を受けることになった。有効打突の判断が難しく、30分に亘る指導は良い勉強になった。その後の指導もあわせ、私にとって目から鱗の事柄も多く、勿体ないので思いつくままに記事とした。
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日時 2009年11月11日 11:10 |
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武者修行者の胆力の鍛え方(火坂雅志「鬼の髪」から)
21.10.30 文責 橋
小説の中からの引用であって、私自身が出典の確認をしていないが、面白いので紹介する。
合伝流(ごうでんりゅう)武ヘ私言(ぶきょうしげん)なる伝書に、武者修行に臨む者は、己の胆力を鍛え上げるために、七難を克服しなければならないとある。 七難とは 一、極寒、猛暑、嵐に身をさらし、深山をさすらうこと。 一、野宿をすること。 一、金に執着せず、飢えに耐え、着のみ着のままで旅をすること。 一、合戦で陣場借りをすること。あるいは、他の武芸者と仕合するか、辻斬りや山賊を斬り伏せること。 一、囚人になって牢獄に入り、勇力智弁(ゆうりきちべん)をもってこれを破獄すること。 一、農民とともに、田畑を耕すこと。 一、悪霊悪風のある魔所、または妖狐のたぐいの害あって人の通らない場所を、独り往くこと。
七難の内、今の時代に行えることは、子供時代の肝試しやキャンプ、それと暑中稽古・寒稽古だけか。人によっては農家も出来る。ただし、無銭旅行や登山は難しい。まして、囚人になっての牢破りや、人切りなどは不可能である。 私達には、上とは違う、新しい時代の胆力の鍛え方が必要であろう。
日時 2009年10月31日 10:45 |
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イチロー選手の言葉に触発されて 懸待(けんたい)一如について考える
21.9.16 文責 橋
9年連続200本安打を達成したイチロー選手に関する読売新聞の記事に、次のような文章を見つけた。「どうすれば、そんなに安打を打てるのか?の問いに、イチローは『手を出すのは最後だ』と答えた」と。この言葉で、ハッと気が付いた。野球も剣道も同じなのだと。 この言葉と同じ様なことで、鈴木先生はいつも私達を指導している。「打突は、足が先で手は後」と。大阪体育大学の作道先生の資料の中にも同じ言葉が見られた。柳生新陰流の「兵法家伝書」の中にも同様のことが書かれている。 是は「懸待一如」についてのことである。 今回のイチロー選手の言葉に触発されて、消化不良ながらも「懸待一如」についての資料を見ながら、考えてみる。
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日時 2009年09月17日 10:54 |
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優れた人物とは
優れた人物(君子)とつまらない人間(小人)について (論語その他) 21.7.5 文責 橋
初めに 剣道では、その理念として「人間形成の道である」と喝破し、剣道修練の心構えとして「自己の修養に努めて世の中に寄与する」ことだと述べている。 自己修養の項目として「気力」「礼節」「信義」「誠」の言葉が並べられているが、いまいち自己修練の目指すところがハッキリしない。そこで、ひとつの目安として、古くて新しい書物「論語」から、優れた人物像を拾ってみることにした。
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日時 2009年07月06日 17:44 |
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1拍子の打ちをマスターする
21.6.18 文責 橋 1 前言 日本剣道形では1拍子で打ちなさいと言われている。稽古でも1拍子で打てと指導される。木刀による剣道基本技稽古法では「打突は、充実した気勢で手の内を絞り刃筋正しく「物打」を用い、後足の引付けを伴って1拍子で行わせる。」と書かれている。 私にとって、この「1拍子の打ち」は分かっているようで分からない難問である。まして、子供達に対してどのように教えたらよいのか。以下、分からないながらも考察したことを記す。
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日時 2009年06月23日 18:37 |
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重職心得箇条C
文責 橋
重職心得箇条Cは13条から終わりの17条までを掲載する。14条の省くということ、15条の風儀は上からということ、17条の始めは春の様になど、考えさせられるし味わいも深い。
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日時 2009年06月23日 18:36 |
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重職心得箇条B
重職心得箇条B 文責 橋
重職心得箇条Bは、9条から12条までを掲載します。9条の刑賞与奪の権は上に立つ者の専管事項。使い方はリーダーの永遠のテーマ。10条の物の見方。12条の人の意見を採用する度量など味わっていただきたい。
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日時 2009年06月16日 10:25 |
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重職心得箇条A
文責 橋
Aでは3条から8条までを載せる。特に、6条の「物の見方」や、8条の「どんなに忙しくとも、忙しいと言わない方がよい。リーダーが忙しいと言うのは恥である。」などは大いに考えさせられる。
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日時 2009年06月06日 21:45 |
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リーダーシップ 2
上に立つ者の道32箇条 岩澤 正二(マツダ相談役) 文責 橋 6月3日は大池剣友会の稽古日。そこで、横浜の防具専門店の或る社員に会った。「痩せたね。」と言ったら、嬉しそうな顔をした。ここで、冗談だよと言ったら厭味になるなと思いつつ、「冗談だよ。」と言ってしまった。ゴメンね。 厭味や、愚痴は禁句と書いてある文書を思い出した。それが「上に立つ者の道32箇条 岩澤 正二(マツダ相談役)」である。 岩澤正二(マツダ相談役)さんの「上に立つ者の道32箇条」は、ご本人が、人の話や古典などを参考にして、実体験を通じて得た32箇条を、自らの戒めのためにまとめられたものである。私にとって、この境地にはなかなか近づけないながらも、日常の戒めのチェックリストとして活用させていただいている。 皆さんも、好きな文章を選び出して活用されたらどうだろうか。
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日時 2009年06月06日 21:43 |
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リーダーシップ T−@
上に立つ人の心得 「重職心得箇条」を読む 文責 橋
昔の仕事柄、リーダーシップについて学びつつ実践してきたが、リーダーシップは社会人としても剣道人としても、日常の生活で役に立つことが多い。また、大池のOBの人達にも多少興味が有ると思うので、直接剣道には関係しないことだが、掲載することにした。 リーダーシップに関する著書の中でも、この「重職心得箇条」は、書かれている内容が全部で17条と少なく、しかもコンパクトにまとまっているので、初めての人でも取っつきやすい。また、大いに参考になると思うので、17条ある項目を、数回に分けて読んでいきたいと思う。
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日時 2009年06月01日 18:55 |
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剣道に強くなるための名言・格言 W
剣道に強くなるための名言・格言 W 「風姿花伝(ふうしかでん)」の世界 文責 橋
「能」を極めるための秘事を世阿弥が一書に著し、一子相伝として伝えてきたのが「風姿花伝」(花伝書とも言う)である。稽古の有り様や心構えなど諸芸道に通じることから、「芸」を志す人にとって大切な書となっている。剣道に通じるところも少なくない。最近、新聞記事で感じるところが有ったので、改めて「風姿花伝」を読み直してみた。
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日時 2009年05月10日 15:18 |
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「木刀による剣道基本技稽古法」の普及について
文責 高橋
21.4.19の伝達講習会において、「木刀による剣道基本技稽古法」の、解説及び実技指導が行われた。 神奈川県での普及が遅れているとのことで、今後、3級から1級までの昇級審査で実技として取り入れるとの話が在った。(当分は合否の対象にはしないとのこと。) 講習会で指導を受けた内容も合わせ記載した資料を作成したので、大池剣友会の指導の参考として利用されたい。 なお、郡先生がビデオテープを持っています。
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日時 2009年05月10日 15:08 |
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剣道に強くなるための名言・格言 V
剣道に強くなるための名言・格言 V 不動智神妙録 沢庵禅師
21.3.15文責 高橋 通
沢庵禅師が柳生但馬守に与えた、剣の道を仏の教えで説いた(仏の教えを剣の道で説いた)書が不動智神妙録である。自分が自分になりきったところに剣の道、仏の道が有ると説く。技の修練を極めた後の生死一如の中での心の有り様を説くもので、技の修練もままならない私にとっては、本書との接触点を探すのが大変だが、このような境地も有ると知っておくことも有意義であろう。 現代語意訳で要点を記す。解説を付すためには禅に対する深い体験が必要なので、ご勘弁願う。
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日時 2009年03月24日 11:06 |
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剣道に強くなるための名言・格言 U
剣道に強くなるための名言・格言 U 山岡鉄舟
21.3.10 文責 高橋通
勝海舟・高橋泥舟と合わせ幕末の三舟といわれた山岡鉄舟は、明治以降実用としての意義を失った剣法を、鍛錬を通じて心胆を練ることに新たな意義付をして、現在の剣道への道を拓いてくれた先達者であり、剣と禅をきわめた達人として有名であるが、残された文章は少ない。鉄舟は、剣は刀で勝負を争うのではなく、技(事)と心(理)を一致させる努力のなかで心を磨き、その鍛錬した心の刀で相手と対峙するという「心外無刀(心の外に刀なし)」を唱えて、無刀流の開祖となった。鉄舟の理念は「剣道は修養である」につきる。この考えは現在の剣道の理念に通じている。徳間書店「山岡鉄舟・剣禅話」野澄訳から、気に入ったところを抜き書きする。
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日時 2009年03月18日 14:12 |
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剣道に強くなるための名言・格言 T
五輪書・兵法三十五箇条(宮本武蔵)
H21.3・1 文責 高橋 通
宮本武蔵の著に五輪書・兵法三十五箇条・独行道がある。剣については兵法三十五箇条が先に書かれ、剣についての主要な事柄はここにほとんど述べられている。五輪書は兵法三十五箇条を基礎として武蔵の哲学を含め伝書としてまとめたものである。独行道は武蔵が死ぬ間際に自省自戒の書として弟子達に残したもので直接剣とは関係ない。 五輪書・兵法三十五箇条は二刀の書であり、勝つためには詐も厭わない感もする内容では有るが、現代の竹刀剣道にも役立つことが多く書かれているので、好きなところ(理解できるところ)を抜き書きして解説を付けてみた。 名言・格言2としては山岡鉄舟の著述を、名言・格言3としては沢庵禅師の不動智神妙録を予定し、現在推敲中である。
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日時 2009年03月17日 11:42 |
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K先生の剣道談話(宮原先生の聞き取り)
<H20年11月29日 とり一にて>
宮原先生からの聞き役 高橋 文責 高橋
8段審査に臨んでの心構えなど、宮原先生が教えを受けた内容を、又聞きで聞いたので、内容が不正確になるのを怖れK先生の剣道談話とした。以下要点を記す。
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日時 2009年02月28日 18:27 |
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日本剣道形の研究
H21.2.26 文責 高橋 通
日本剣道形の解説書には形の要領・指導上の留意点・経緯などが記されているが、各形の修練の目的・狙いが明らかにされていない。おそらくは、形が制定された当時は、各形の狙いは自明の理であって、わざわざ書く必要が無かったからであろう。しかしながら刀による斬り合いから竹刀による競技に変わった世代にとっては、形の目的・狙いが示されていないと、形の稽古が単なる物まね・踊りのたぐいとなってしまい、剣道に生かされない無駄稽古になってしいがちになる。ここに、太刀7本の形の特性と繋がりを考えながら、それぞれの目的・狙いを推測するとともに、形に対する疑問点を整理して、形修練の実を高めたいと思った。インターネット上で検索してみると色々な意見が出ている。そういう意見を参考にしながらまとめてみたものである。 未熟者の独断をあえて文章にしたのは、これが議論のきっかけとなると考えたからである。お茶でもすすりながら見て下さい。
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日時 2009年02月26日 18:28 |
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6段審査体験記
19.8.26 高橋 通 これから審査を受ける人になんらかの参考になれば良いと思って、体験記をまとめました。
1 前言 19.8.26(日)、長野市ホワイトリングで行われた6段審査に挑戦した。次に受検する人のために、審査内容や所見等について記録し報告する。 当日、3か所で行われた審査の結果は次の通りである。 福岡 78名合格/912名受検 合格率8.6% 北海道 24名合格/309名受検 合格率7.6% 長野 117名合格/908名受検 合格率12.9%
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日時 2009年02月26日 18:26 |
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図書の紹介 「高段者への道 (抜粋)」
H19.12.1 文責 高橋 通
旭図書館に「高段者への道」という図書がある。ここに要点を抜粋したが、詳細を知りたい人は是非借りて読まれることをお奨めする。
内容(抜粋)
高段者は指導者としての能力(知識・資格)を求められる。
○共通する具体的な素養
@実技 ・着衣・着装・礼法が正しくかつ深い修練を感じさせる。 ・目付や姿勢・態度を品位・気位を感じさせるように、剣道に美しさが求められる。 ・打突の機会や剣先の攻め、間合などが理合いにかなっている。技の出し方の良否が問われる。 ・にじみ出る気迫、自然な動き、気を乗せた技、相手に技を出させない気の攻めなど、いわゆる気剣体の一致が必要。
A日本剣道形 ・正しい刃筋、適切な間合いなど理合いを十分に理解している。 ・十分に気が練れて、技の合理性などの心技の理合いを把握した上で、呼吸や打突の機会、気の争い、残心なども調和が取れていることが必要。
B学科試験 ・剣道の理念や心構え、技の解説、剣道の常套句の把握、指導者として必要な事項、審判規則など。
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日時 2009年02月26日 18:23 |
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-プロフィール- 名前:トオル先生
こんにちは! プロフィールに写真を載せると言われたのですが、マンガにして貰いました。この方がピントはずれな事も平気で言えますので。 |
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